ナカムラマコトの世界 / Мир Макото Накамуры

漆工芸家「中村真」の作品と展示情報を主に、かつて暮らした中央アジアの風景と工芸にも触れていきます。

”身近なうつわ”の話

Posted by nakamura.m on  

瓢箪椀


ここ十年くらい瓢簞でうつわを作っています。
きっかけは瓢簞を分けてくれる方とであったこと。自分でも瓢簞を育ててみたこと。
形を作ることは自然にゆだねるとして、私はそのかたちの中から美しい形を切り取るだけなので、この”うつわ”は私の作品というより私が参加して出来上がったような存在。

瓢簞は、かたちが不揃いなことと、数を大量にあつめられないこと、下処理の手間がかかることなど、なんとも面倒なことが多いのですが、軽くて、加工し易くて、丈夫で素晴らしい材料です。そして、実際に使ってみると手放せない気持ちになります。なんで、今までなかったのだろう。

再発見なのか、新発見なのか。自分でもよくわからない作品です。





作品名:瓢簞のうつわ
サイズ:さまざま
素材:瓢簞、漆、麻布
技法:きゅう漆、暈し塗り



瓢箪椀夏

-追記- 2013年10月の個展会場に瓢簞のうつわについて解説文を寄せました

うつわの本分 –瓢簞のうつわからの気付き-
 これは今から十年程前にはじめて制作した瓢簞のうつわです。ほぼ毎日普段使いとして食卓に登場しています。
 西アフリカ諸国の生活文化の資料や見聞を通じて、瓢簞のうつわが一生通じて使われる程丈夫であると知識では理解していたものの、私自身は瓢簞と漆の普段使いのうつわなど一度も手にすることがなかったこともあり、作り手の責任として作品をしっかり見届けようと今日まで使ってきました。

 驚くべきなのか、あたりまえなことなのか、このうつわは今まで一度として故障はありません。頒布した方々からの修理依頼もありません。
 そればかりか、この十年を通じて、漆に透き通るような艶がうまれ、濃緑もより深く鮮やかに変化してきました。
 使うこと、手間をかけることによって育まれてきたこの佇まいは、我が生活とうつわの、共に過ごした時間の記憶でもあるようにも思われます。

 漆器に限って言えることではないと思いますが、うつわは使われてこそそだつのではないかと思っています。使うことによって、まだ見ぬ完成に少しずつ近づいてゆくということかもしれません。
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