ナカムラマコトの世界 / Мир Макото Накамуры

漆工芸家「中村真」の作品と展示情報を主に、かつて暮らした中央アジアの風景と工芸にも触れていきます。

つばめの話

Posted by nakamura.m on  

キルギスツバメの家

 日本と同じように、タシケントにも陽の光に力強さを感じるようになると、何処からかたくさんの燕がやってきます。
旧ソ連時代からのアパート群が囲むちょうど中庭のような空間には、早朝と夕方にぐるぐると群れで飛び回ります。特に陽光そそぐ夕方には、まるで燕の柱が立つように、きらきらと光る群れはうっとりと見惚れてしまう程です。
 旧ソ連時代のアパートの造りは、セメントの無骨な板を鉄筋コンクリートの骨組みに貼付けたプレハブ構造。幅1メートルくらいのベランダの軒には燕が宿るにはおあつらえな隙間が開いています。

つばめ窓

 そのようなこともあり、初夏の夕方のベランダは、寝床を求めにきた燕で賑やかになるのです。
その隙間はずいーっと長いのですが、それでも群れ全体を収容するほどではないようで、先着順に賑やかな寝床争奪戦が繰りひろげられます。

 そんな騒動をつまみにベランダでビールを飲む時間はとても愉快な気分になったものでしたが、ごくたまに油断してポトッとわたしの足下にまさに落ちる寸前に必死の形相で、目の前を素早く羽ばたいたりするので、思わずビールをこぼしそうになったりしたものでした。

つばめ乾漆

 と、そのような楽しい出来事を初夏が巡ってくるたびに思い出します。
今つばめをつくっています。このように、たまにはうつわではないものも作ります。沢山作って、壁一面に飾って、あの群れがいる空間をいつまでも眺めていたいのです。



























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