ナカムラマコトの世界 / Мир Макото Накамуры

漆工芸家「中村真」の作品と展示情報を主に、かつて暮らした中央アジアの風景と工芸にも触れていきます。

春分の旧市街

Posted by nakamura.m on  

オルマゾル1

 タシケントはタシケントのままであると書きましたが、あくまで醸す雰囲気のこと。実際の風景はめまぐるしく変化を遂げています。
 例えば、街の中心部から路面電車やトロリーバスが消えたこと。手書き看板が全くなくなり、ほぼ印刷看板になったこと。そして、旧市街にも再開発がはじまったこと。

 以前住んでいた物件から遠くないオルマゾル(林檎園)と名付けられた町内会は、1890年の地図とほぼ変化なく、うねうねした道と土塀の家が連なり、羊とおじさんがうろうろするのどかな土地柄です。
 今回、昔の行きつけの中庭食堂から音楽学校まで、オルマゾル町内会を貫くオルマゾル通りの散歩をしました。塀の上に伸びるアンズの花は、一度花散らしの雨に降られたとはいえ、まだまだしっかりと咲き誇っていました。
 音楽学校も近く演奏家が住んでいるのか、塀の向こうから弦楽器の練習する音がこぼれてきます。

オルマゾル3

 四つ角には商店があります。いつもどおり店内には日用品が並んでいますが、店先には凧が綺麗に吊るされているのが春分を物語っています。凧と言えば日本では正月の風物詩ですが、こちらでは春分に揚げられます。凧一枚3000スムとのことでしたが、いろいろお話しているうちに「興味おありなら1000スムでいいですよ。」とのこと。彼は人がいいだけに商売人としてはマネージメントが必要なようですね。

オルマゾル2

 このようなのんびりしたオルマゾル旧市街ですが、出入り口に取ってつけたように築かれた鉄板の壁には立退き命令の看板が掲げられました。とうとうここも取り壊しが始まるようです。
 タシケントのニュースによればここは一大商業地域となるようです。大理石を敷き詰めて、高層ビルと免税店と有名ブランドが目白押しといった青写真が描かれています。
 ここの住民は郊外のアパートに転居することになっているようで、物件は確保されているとのことです。

 なにはともあれ今回の訪問では、思い出の風景が無くなる前に行けたのが私としては非常に良かったです。



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