ナカムラマコトの世界 / Мир Макото Накамуры

漆工芸家「中村真」の作品と展示情報を主に、かつて暮らした中央アジアの風景と工芸にも触れていきます。

夏の金継ぎ

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コミカレ朝顔平茶碗金継ぎ

生垣に咲く朝顔の平茶碗
繕いの線はまっすぐ伸びた蔓のようでした。

この平茶碗は池袋コミュニティーカレッジの茶道講座からのご依頼。
今夏のお稽古はこれを使うと伺っています。

ぜひ、末長く使われ、講座の夏の風物詩に育ってほしいと願っています。
































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ウズベキスタンの器を繕う

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2016:6:30:リマ皿

"rimma"という、現地の絵付け作家の作品。
リムの部分のラスター彩にあわせて模様をほんのり浮き上がらせる、”夜桜塗り”というオシャレな名前の髹漆技術で仕上げてみました。
持ち主はとても愛用していたので、捨てるに捨てられなかったとのお話。ちょうどいいタイミングでした。
夏にお届けしますので待っていてください。


2016:6:25ガニシェル漆継ぎ

フェルガナ盆地リシタンの窯元より、頂戴した陶器。
大きな窯傷が広がり、帰国した時にはまっぷたつでした。
自生している植物の灰を1000度くらいの窯で加熱し、硝子結晶化したものを粉砕水簸した釉薬、現地の名称で”イシコール”釉を全体に纏ったターコイズブルーが眩しい。さらにイッチン描きで浮き出た模様がにぎやかで、存在感があります。
これも漆黒の繕いで良しとしました。

ウズベクの焼きものはきらびやかなものが多く、金を使わなくても華やかです。

春のウズベク訪問で、預かってきた器の繕いを紹介しました。
訪問の本来の目的は違うのですけど、嬉しいご縁です。

















































つばめの話

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キルギスツバメの家

 日本と同じように、タシケントにも陽の光に力強さを感じるようになると、何処からかたくさんの燕がやってきます。
旧ソ連時代からのアパート群が囲むちょうど中庭のような空間には、早朝と夕方にぐるぐると群れで飛び回ります。特に陽光そそぐ夕方には、まるで燕の柱が立つように、きらきらと光る群れはうっとりと見惚れてしまう程です。
 旧ソ連時代のアパートの造りは、セメントの無骨な板を鉄筋コンクリートの骨組みに貼付けたプレハブ構造。幅1メートルくらいのベランダの軒には燕が宿るにはおあつらえな隙間が開いています。

つばめ窓

 そのようなこともあり、初夏の夕方のベランダは、寝床を求めにきた燕で賑やかになるのです。
その隙間はずいーっと長いのですが、それでも群れ全体を収容するほどではないようで、先着順に賑やかな寝床争奪戦が繰りひろげられます。

 そんな騒動をつまみにベランダでビールを飲む時間はとても愉快な気分になったものでしたが、ごくたまに油断してポトッとわたしの足下にまさに落ちる寸前に必死の形相で、目の前を素早く羽ばたいたりするので、思わずビールをこぼしそうになったりしたものでした。

つばめ乾漆

 と、そのような楽しい出来事を初夏が巡ってくるたびに思い出します。
今つばめをつくっています。このように、たまにはうつわではないものも作ります。沢山作って、壁一面に飾って、あの群れがいる空間をいつまでも眺めていたいのです。



























はじまりのうつわ

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葉っぱ皿


水面に浮かぶ蓮の葉っぱを眺めていると、うつわの、特に皿のはじまりなのではないかと想像します。


作品名:乾漆・葉の皿
サイズ:直径9㎝、15㎝、24㎝、33㎝
素材:漆、麻布、木材
技法:乾漆、きゅう漆

繕いを見立てる

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金繕い錫


ぽっかりと、浮かぶ雲から、稲びかり

 3月にご依頼があり、このたび納品した蕎麦猪口の繕いをご紹介します。
白磁には錫の暖かみのある銀色仕上げが似合うと思ってます。
繕いあとを、何かに見立てるなら、私の場合は冒頭に記した駄句ような「景色」になりました。

 そもそも、割れや傷を金で優美に目立たせ、器に現れた「景色」として鑑賞するなどという発想は、はっきりとした四季のある自然の中で、移りゆく世の万物に敬意を持ち、物語りを見いだして楽しむことができた、日本人特有の積極的で優しく豊かな感性なのだと言えるのではないかと。


特に春から初夏の、季節の変わり目は雷鳴轟くことも多いです。
その風景を描写した、留学当時の懐かしい文章を記しています。
http://nakamuramakotolab.blog.fc2.com/blog-entry-20.html

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